パレスチナの子供2人が女性に溺れさせられ「トラウマ」に

Hさんと2人の子どもにとって、それはいつも通りのプールの日だった。ヒジャブと地味な水着を着た母親が、6歳の息子と3歳の娘と一緒にマンションのプールにいたところ、エリザベス・ウルフという女性が5月に近づいてきた。

アメリカ・イスラム関係評議会（CAIR）テキサス支部の報道発表によると、42歳のウルフ容疑者は泥酔状態だったとされ、「母親の出身国や、子供たちに外国語で話しかけていることについて尋問した」という。

匿名を希望する32歳のH夫人が駆けつけると、ウルフ容疑者はHさんの息子をつかもうとし、手に傷を負わせたという。少年はウルフ容疑者から逃げることができたが、そのとき犯人はHさんの3歳の娘をつかみ、頭を水中に沈めたとCNNは報じている。

当初のニュースリリースには、「容疑者は母親のヘッドスカーフをひったくり、それを使って母親を殴り、さらに母親を遠ざけるために蹴り、娘の頭を水中に押し込んだ」とも記されていた。

Hさんは、近くにいた人の助けで娘を救うことができた。被害者は「助けを求めて叫び、水を吐いていた」と伝えられている。

テキサス州ユーレス警察が現場に到着したとき、ウルフ容疑者は逃走を試みたが、逮捕されたという。

目撃者数名によると、ウルフ容疑者は明らかにイスラム教徒のこの家族に対し、アメリカ人ではないなど人種差別的な発言をしたという。逮捕される際、ウルフ容疑者は傍観者に「彼女を殺す、そして家族全員を殺すと言ってくれ」と言った。

ウルフ容疑者は殺人未遂と児童傷害の罪で起訴された。フォートワース・スターテレグラム紙によると、ウルフ容疑者は当初4万ドルの保釈金を支払って釈放された。

しかし、この事件の最近の再検討の結果、ウルフの保釈金は当初の額では「起訴された犯罪、加重要因、そして公衆保護の必要性に対して不十分」だったとして100万ドル以上に増額された。拘置所の記録によると、ウルフは6月27日に再逮捕され、今も拘置所にいる。

「私たちはパレスチナ出身のアメリカ市民です。子供たちと安全に過ごせる場所がわかりません」とHさんは言う。「私の国は戦争に直面しており、私たちはここで憎しみに直面しています。」Hさんは娘が「トラウマを抱えている」と言い、「あの女性が来てまた頭を水に浸すのではないか」と恐れている。

CAIRは連邦および州の法執行機関に対し、この事件をヘイトクライムとして捜査するよう求めている。1月にCAIRの公民権報告書は、 2023年の最後の3か月間にヘイト関連の苦情が3,578件発生したことを明らかにした。この前年比178パーセントの増加は、中東で進行中のイスラエルとハマスの戦争を踏まえたものだ。

ロイター通信によると、2023年10月に戦争が始まって以来、3万5000人以上のパレスチナ人が殺害されている。