スタント動画でイーロン・マスクを抱きしめたユーチューバーが欧州議会議員に選出

月曜日のキプロス・メール紙によると、奇妙なスタントで知られるキプロス出身のユーチューバー、フィディアス・パナイオトゥが欧州議会議員に選出された。BBCの報道によると、24歳のパナイオトゥは19.4%の得票率で第3位となり、キプロスを代表する欧州議会議員6人のうちの1人となる。

パナイオトゥーはYouTubeで260万人以上の登録者数を誇り、棺桶に10日間生き埋めにされたり 、VRヘッドセットを装着して10日間過ごしたりといったスタント動画を投稿している。2023年の別の人気動画では、パナイオトゥーがテキサスに飛んで、スペースXで憧れのイーロン・マスクに会う（そして抱き合う）様子が映っている。このユーチューバーがミスター・ビーストと抱き合う動画の再生回数は1500万回を超えている。

パナイオトゥはYouTubeチャンネルでとんでもないスタントを楽しんでいるようだが、昨年、料金を払わずに電車で日本を横断しようとしたことで謝罪を余儀なくされた。

パナイオトゥ氏にはこれまで政治経験がなく、今年の選挙前に投票したこともなかったと報じられている。キプロスの地元メディアは同国の選挙専門家に話を聞いたが、その専門家はソーシャルメディア界のスターの勝利は、多くの点で異例であったという点だけでも歴史的なものだと指摘した。

「政党とは一切関係がなく、ソーシャルメディアだけが唯一の武器で、他には何もない、完全に独立した候補者が選出されたのはおそらくこれが初めてだ」とヤニス・マブリス氏はキプロス・メール紙に語った。

ユーチューバーの欧州議会選挙では若者が大きな役割を果たした。BBCによると、パナイオトゥ氏は18～24歳の有権者の40％、25～34歳の有権者の28％の票を獲得し、議席獲得に貢献した。キプロスの投票率は2019年のわずか45％から約59％に上昇し、BBCはこの大幅な上昇をパナイオトゥ氏の功績だとしている。

アメリカで比較的政治に関心のないユーチューバーがパナイオトゥーの足跡をたどろうとするかどうかは、もちろん興味深いところだ。ミスター・ビースト（本名ジミー・ドナルドソン）が将来大統領選に出馬することに興味を持っているのではないかという憶測は過去にもあった。ドナルドソンは2022年にそのことについて直接尋ねられたとき、 「どうなるか見てみよう」「たぶん20年後くらいかな」とだけ答えた。

2040年にミスター・ビーストが大統領になることに人々は投票するだろうか？ もちろん、もっと奇妙なことが起きている。たとえば、現在ジョー・バイデンと世論調査で接戦を繰り広げているネオファシストのリアリティ番組スターが大統領に選出されたことなどだ。正直に言うと、多くのアメリカ人は、現在の米国の政治情勢よりもビーストが大統領になるほうが好ましいと考えるだろう。たとえ彼が自分の楽しみのために毎晩奇妙な「ソウ」のようなゲームを繰り広げていたとしても。