ニューラリンク、人間への初の脳インプラントでデータ損失問題が発生

イーロン・マスク氏の 神経科学スタートアップ企業ニューラリンクは、脳にチップを埋め込んだ初の被験者で 一連の成功を 収めている。しかし、完璧というわけではない。同社は水曜日、インプラントに関する問題を明らかにしたが、その後は解決したと主張している。  

同社は新しいブログ投稿で、この問題はインプラントの糸に起因すると述べた。ボランティアの患者でシステムのデモが成功した後、これらの糸が何らかの理由で脳から引っ込み、一部のデータが失われた。同社は、データの流れを増やすために、記録アルゴリズムをより感度の高いものに修正し、その他の調整も行ったと述べている。

1月に 初めてインプラントを埋め込んだノーランド・アーボーさんは、それ以来目覚ましい進歩を見せている。2016年の事故で四肢麻痺となったアーボーさんは、頭だけでさまざまな作業ができるようになった。ブログの投稿によると、これまでにインターネットを閲覧したり、パソコンを使ったり、Nintendo Switchでチェス、シヴィライゼーションVI、マリオカート8などのビデオゲームをプレイしたりできるという。

ニューラリンクは、将来的にはアーボーの能力を拡張したいとしている。目標には、タイピングができるだけでなく、ロボットアームや車椅子、その他の技術を脳だけで制御できるようになることなどが含まれている。

マスク氏の神経科学スタートアップは今や好調かもしれないが、アーボー氏の脳にインプラントを埋め込む前にはいくつかの問題に直面した。ニューラリンクは危険物質の輸送で罰金 を科せられ、人体実験に先立つ実験でサルを拷問した と非難されている。

ニューラリンクの共同設立者であるベンジャミン・ラポポート博士は先週 、安全上の懸念から同社を退社したと発表した。同博士は、インプラントを埋め込む方法には脳に損傷を与えるという欠点があると述べた。同博士は最近、脳に損傷を与えることなく脳から情報を抽出する方法を開発するため、プレシジョン・ニューロサイエンスという自身の会社を設立した。